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海外FXの税金や確定申告の流れを解説|注意点・よくある質問も紹介

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海外FXの税金や確定申告の流れを解説|注意点・よくある質問も紹介

「海外FX業者を活用して利益が出たのだけれども、税金や確定申告はどうなるのか?」

このようにお悩みの方もいますよね。

レバレッジの大きさやスプレッドの狭さから海外FX業者の人気が高まっています。

国内業者の場合でも海外業者の場合でも、FXを使って得た利益については税金が発生するため、確定申告をする必要があります。

ところが税金の考え方や確定申告の流れについてわからないという方向けに、今回の記事では海外FX業者の税金や確定申告について解説します。

この記事を読めば、

  • 海外FX業者を利用した場合の税金制度
  • 確定申告が必要な人の条件
  • 確定申告の流れ
  • 注意点
  • 効果的な節税対策
  • 海外FXの税金・確定申告についてのよくある質問

を理解することができ、税金の考え方や流れについて抑えることができます。

海外FX業者を利用した場合の税金制度

まずは、海外FX業者を利用した場合の税金制度について、

  • 海外FXと国内FXとの税金制度の違い
  • 総合課税の適用
  • 累進課税の適用

の流れで説明していきます。

(1)海外FXと国内FXとの税金制度の違い

海外FXと国内FXの税金の違いについて、下記に表にまとめました。

海外FXと国内FXの税金の違い
海外FX 国内FX
所得区分 雑所得
税区分 総合課税 申告分離課税
税率 累進課税 一律20%
(2037年までは復興特別所得税のため20.315%)
損益通算 「雑所得、総合課税方式」に分類される項目
(例:複数の海外FX業者間の損益、仮想通貨の損益など)
「先物取引に係る雑所得等」に分類される項目
(例:複数の国内FX業者間の損益、先物・オプションによる損益)
損失繰越 不可 過去3年分の損失繰越
確定申告をする所得水準 給与所得者:年間20万円超
非給与所得者:年間38万円超

このように、海外FXと国内FXとでは税金の考え方が異なります。

これを前提に、以下で更に深掘りしていきます。

(2)海外FX業者で利益が出た場合は総合課税が適用される

海外FX業者で得た利益については、総合課税が適用されます。

総合課税とは、税区分が総合課税となっている項目の所得をすべて合算して総所得額を計算し、それに税率をかけて税金額を算出する方式です。

総合課税に当てはまる主な項目は下記です。

  • 給与所得(サラリーマンなど)
  • 不動産所得
  • 事業所得(個人事業主など)
  • 雑所得(海外FX、仮想通貨、アフィリエイトなど)

これらの項目にあてはまる所得を全て合算して、税金額を計算します。

(3)海外FX業者で利益が出た場合は累進課税が適用される

海外FXを利用して得た利益には、累進課税が適用されます。

上記の総合課税の欄で算出した所得額は、以下の図をもとに税率が決まります。

所得金額 所得税率 控除額 住民税
195万円以下 5% 0円 一律10%
195万円~330万円以下 10% 97,500円
330万円~695万円以下 20% 427,500円
695万円~900万円以下 23% 636,000円
900万円~1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円~4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円~ 45% 4,796,000円

このように、所得金額が大きくなるほど、税率が大きくなります。

確定申告が必要な人の条件

確定申告が必要になる条件は下記です。

  • 給与以外の所得が年間20万円以上を超えた人
  • 被扶養者など、給与所得の無い人は、年間38万円を超える所得を得た人

上記の条件に当てはまる人は、必ず確定申告をしなくてはなりません。

サラリーマンの方であれば、年間20万円以上の利益を出した時点で確定申告をする必要があります。

被扶養者の方は所得が年間38万円以上を超えた場合は確定申告しなくてはなりません。

また、年収2,000万円以上の給与所得・事業所得のあるサラリーマンや個人事業主の方も、確定申告をしなくてはなりません。

海外FXを利用した際の確定申告の流れ

具体的に確定申告の流れについて解説していきます。

確定申告の流れは、

  1. FX業者の公式HPなどから年間の損益報告書を入手する
  2. 国税庁のHPで情報を入力
  3. 必要書類を税務署に提出

となります。

具体的に見ていきましょう。

(1)FX業者の公式HPなどから年間の損益報告書を入手する

最初に、年間の損益を確認するために、使っているFX業者の公式HPにアクセスし、年間の損益報告書を入手します。

この書類がないと正しく年間収支を把握することができないからです。

年間収益報告書には、当該年の1月1日から12月31日までの取引損益と各種手数料などが記載されています。

この書類を活用し、正しい年間収支を把握します。

(2)国税庁のHPで情報を入力

次に、国税庁のHPにて情報を入力します。

国税庁の確定申告特集ページにアクセスすると分かりやすくまとめてありますので、下記よりアクセスしてください。

国税庁の確定申告特集ページ

国税庁の確定申告特集ページ

ページ右上に設置されている「確定申告書等の作成はこちら」ボタンをクリックし、

作成開始

作成開始ボタンをクリックします。

手続き

すると上記のような表示がされますので、自分の好きなやり方で手続きを進めていくことができます。

所得金額

(3)必要書類を税務署に提出

確定申告書を作成した後は、必要書類を税務署に提出します。

提出方法は、

  • e-TAXにて提出
  • 郵送にて提出
  • 持参して手渡す

の3つがあります。

e-TAXを活用すれば郵送や税務署への移動の手間が省けるので、楽に確定申告を行うことができます。

確定申告の際の注意点

海外FXにおける確定申告の注意点は、以下の3つです。

  • 国内FXとは損益通算ができない
  • 損失繰越ができない
  • 海外FXを活用して得たボーナスは所得に含めない

それぞれ深掘りしていきます。

(1)国内FXとは損益通算ができない

1つ目の注意点は、国内FXと海外FXとで損益通算ができない点です。

なぜなら、国内FXは申告分離課税、海外FXは総合課税と、税区分が異なるからです。

そのため、例えば国内FXで損失が発生していても、海外FXの利益から差し引くことができません。

ただし、税区分が総合課税同士であれば損益通算ができます。

例えば仮想通貨で損失が出ている場合は、仮想通貨の税区分は総合課税のため、海外FXと損益通算をすることができます。

また、複数の海外FX業者を利用している場合は、それぞれの損益を差し引くことが可能です。

(2)海外FXでは損失繰越ができない

2つ目の注意点は、海外FXでは損失の繰越ができない点です。

国内FXでは、損失が発生した場合はその損失を3年間に繰り越して利益と差し引くことができます。

損失繰越によって、翌年以降得た利益から損失を差し引くことができるので、節税することができます。

一方で、海外FXではこのように損失繰越を行うことができないため、損失繰越を使った節税策を打つことが出来ません。

(3)海外FXを活用して得たボーナスは所得に含めない

3つ目の注意点は、海外FXを活用して得たボーナスは所得に含めない点です。

海外FX業者ではトレーダーの方に「ボーナス」を付与することが多くありますよね。

こうしたボーナスの多くは、現金化することができず、その業者の中で「証拠金として」活用することがほとんどです。

現金化されない以上、ボーナスは所得に含めないので、確定申告の際の計算には注意しましょう。

ただし、業者によってはこれらのボーナスを現金として受け取ることができるところもあります。

その場合は、ボーナス分は所得としてカウントされますので、貰ったボーナスが現金化されるかどうか、チェックするようにしましょう。

国内在住のサラリーマンができる節税対策

前章では確定申告時の注意点について解説しました。

この章では、国内在住のサラリーマンができる、海外FXにおける節税対策について解説します。

現実的に行える節税策として、

  • 必要経費を算出し、経費を増やす
  • 両建て取引をする
  • 入金ボーナスを活用する
  • 法人化する

の4点があげられます。

詳細に見ていきましょう。

(1)必要経費を算出、経費を増やす

1つ目の節税策は、必要経費を算出し、経費を増やすことです。

FXで課税所得とされる所得金額は、1月1日~12月31日までの「為替差益+スワップポイントー経費」で算出されます。

FXの利益をあげるためにかかった費用が経費となり、下記にあげるものは経費として認められる可能性が高いため、確定申告の際に経費として申請するようにしましょう。

  • トレードに必要なデスク、モニター、PC、スマホなどの購入費用
  • インターネット代、電話代
  • 勉強のための経済誌、新聞、セミナーなどの費用
  • トレード専用部屋の家賃、光熱費、家具などの費用
  • FXソフトや自動売買プログラムなどの利用費用
  • セミナーへの移動・宿泊費用、セミナー後の懇親会費用
  • 情報交換のための飲食費用

こうした費用が発生した場合は、必ず領収書を保管しておくようにしましょう。

(2)両建て取引をする

2つ目の節税策は、両建て取引をすることです。

両建てとは、含み益のあるポジションに対して、そのポジションを決済しないで逆方向への注文を同じ金額のポジションを取ることです。

両建て取引は、特に年末に有効な節税策になります。

例えば、1ドル=100円の買いポジションを1万ドル分持っているとします。

年末にかけて円安が進み、1ドル=110円になったとすると10万円分の利益が発生しますよね。

仮に1ドル=100円の時に両建てにて1万ドル分の売りポジションを持っていると、1ドル=110円になった時に-10万円の損失が発生します。

年内に売りポジションの方を決済し損失を確定させると、両建てによりプラスマイナス0の状態で、-10万円分の損失が確定できるので、課税所得を下げることができます。

年明け後に買いポジションの決済をすれば、課税される利益を翌年に繰り越すことができるんで、その年度の課税について節税をすることができるのです。

このように、両建て取引をすることで節税を行うことができます。

(3)入金ボーナスを活用する

3つ目の節税策は、入金ボーナスを活用することです。

海外FX業者の多くでは入金時などに、証拠金として活用できるボーナスがもらえますが、このボーナスを使って節税をすることができます。

例えば、A業者とB業者にそれぞれ10万円ずつ入金し、B業者にてボーナスを10万円分もらったとします。

A業者で10万円分のトレードをしたものの、10万円の利益が発生したとすると、課税所得は10万円となります。

同時にB業者でボーナスを含めて20万円分をトレードし、10万円分の損失が出たとします。

すると、B業者の口座に残る残高は10万円にも関わらず、損失はー10万円となります。

2つの口座に20万円入金し、トレードの結果として口座残高は30万円に増えましたが、利益10万円を損失10万円でマイナスすると、課税所得の損益は0円、つまり税金が発生しないのです。

このように、ボーナスをうまく活用する事で、口座のお金を増やしつつ効果的に節税をすることができます。

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(4)法人化する

4つ目の節税策は、法人化することです。

法人化することで、税率が所得税の累進課税ではなく、法人税に切り替わります。

法人税の税率は2021年時点で23.2%(年間所得800万円以下の中小法人には軽減税率あり)のため、所得金額によっては法人税の方がかなり安くなります。

例えば年間5,000万円の利益を出しているトレーダーの方は、個人のまま確定申告すると45%の税率が課せられますが、法人化していると23.2%の税率で済むのです。

海外FXの利益がコンスタントに毎年1,000万円以上出るようになったら、法人を設立し、法人税を適用させるようにした方が税制面で有利になります。

海外FXの税金・確定申告でよくある質問

前の章では、海外FXにおける節税策について解説していきました。

最後の本章では、海外FXの税金・確定申告についてよくある質問を紹介していきます。

(1)海外の取引所なら税金を払わなくてもばれない?

遅かれ早かれ、税金を支払ないと必ずバレますので、発生した税金は払うようにしましょう。

もし税金を支払わないことが後からバレてしまった場合は、年を遡って不足分+延滞税として支払わなくてはなりません。

必ず税金を納めるようにしましょう。

(2)税金を払ったことは会社にばれる?

海外FXで得た利益は会社にはわかりません。

ですが、利益をあげたことで住民税が増加するためバレる可能性があります。

ただし、確定申告の際に住民税の納付方法において「普通徴収」を選ぶと、自宅に税金納付書が届き、自分で税金を納めることになるので、会社にバレなくなります。

まとめ

今回の記事では、海外FXを利用した際の税金体系や確定申告の流れ、海外FXならではの注意点、節税策について解説していきました。

海外FXは、仮想通貨と同じように雑所得による総合課税となるため、利益額が増えれば増えるほど、累進課税により納税額が増えていきます。

また、国内FXとの損益通算や損失が発生した場合の翌年度への損失繰越などは行えませんので、注意してください。

確定申告を行わないことにより、後日追加納税が発生する可能性があるので、必ず確定申告を行い、支払うべき税金は支払うようにしましょう。

この記事について

著者: 一般社団法人 子ども教育科学創造研究所

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一般社団法人 子ども教育科学創造研究所は「子ども育成に関わる研修、研究活動を通して、社会に貢献する」という理念のもと、子どもたちの健全な成長と将来の経済的自立を支援しています。当研究所では独自の研修プログラムや研究活動を通じて、子どもたちの育成支援に取り組んでいます。また、金融教育の重要性も認識し、子どもたちが将来的に適切な金融リテラシーを身につけられるよう、さまざまな取り組みを行っています。

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