「cTraderを利用したいけど、対応している業者が少ない・・・」という悩みは多く見られます。MT4やMT5と違って、cTraderのシェア率は極端に低く、スペックの高いcTraderを利用したいものの、業者が見つからないということはよくあります。この記事では、そんなcTraderの概要から、cTrader対応業者の選び方、おすすめのcTrader対応業者などについて解説しています。
海外FXで利用されているcTraderとは？
cTrader（シートレーダー）は、イギリスのSpotware Systemによって開発された取引プラットフォームです。プラットフォームと付いていることから、難しく感じるかもしれませんが、基本的には取引を行うツールという認識で問題ありません。
cTraderが、MT4やMT5といった主流の取引ツールと異なる点は「ECN方式の取引に特化」している点です。MT4やMT5といったツールは、特定の方式専用といったものではなく、汎用性高くさまざまな方式・形態の取引に対応しています。
ECN方式とは、NDD方式に含まれる取引方法・発注方法の1つで、大手金融機関の取引などとのマッチングが可能な方式です。ECNは特性上、非常に約定力が高いことが知られており、個人投資家であってもスキャルピングなどを裁量取引で行なっている方などを中心に、人気があります。
MT4とcTraderを比較
これから、もう少しcTraderとMT4を比較していきます。MT4と比較することで、cTraderの概要を掴んでいきましょう。
| cTrader | MT4 | |
| 取引の形・方式 | NDDのECNのみ | DD・STP・ECN問わない |
| 手数料 | 有料 | 業者により無料・有料 |
| 約定力 | 高い | 業者により左右 |
| インジケーター | 少ない | 多い |
| 取引画面の複雑さ | シンプル | 複雑 |
| 一括決済 | 可能 | 不可能 |
| 自動売買のバリエーション(EAなど) | 少ない | 多い |
同じECN方式における取引では、MT4よりもcTraderの方が総合的なスペックが高いです。そのため、ECN方式で取引を行う場合はcTraderを利用した方が、快適な取引環境となるでしょう。
しかし、その一方でMT4は汎用性の高い取引ツールとなっており、ECN方式以外の取引が可能な点や、シェア率の高さ・歴史の長さを持っているため、自動売買のバリエーションが豊富で、大きなアドバンテージを持っています。
cTraderのメリット・デメリット
これから、cTraderのメリット・デメリットについて解説していきます。それに加えて「cTraderがおすすめな人・おすすめできない人」についても、チェックしていきましょう。
（1）cTraderのメリット
cTraderの代表的なメリットは、以下のとおりです。
- 約定力が高い
- 業者による約定拒否不可
- 業者による価格操作不可
- 取引制限がない
- 複数同時決済対応
このようなメリットをまとめると、cTraderを利用した取引(ECN方式による恩恵込)には「透明性の高さ」「大口取引の容易さ」「取引環境の快適さ(約定力)」という3つの特徴が挙げられます。
上記の特徴を考慮すると、以下のような人におすすめできます。
- 「スキャルピングなどを行う人」
- 「大口取引が多い人」
- 「透明性を求めている人」
一概には言えないものの、上記のような方であれば、cTrader利用による恩恵を特に受けられる可能性が高いです。
（2）cTraderのデメリット
一方で、cTraderには以下のようなデメリットが確認できます。
- シェア率が低い
- 自動売買は難易度が高い
cTraderは、シェア率が高くありません。代表的な海外FX業者であるXMはもちろん、知名度の高いTitan FXやGemForexもcTraderには対応していません。シェア率が低いため、cTraderを利用しようとすると、必然的に業者の選択肢が狭まります。
また、cTraderでも自動売買は可能で、cAlgoというツールが利用できます。しかし、MT4のEAと比較すると、日本語の情報が少ないことや、そもそものツールの難易度が高いことから、大衆に受け入れられるようなツールではありません。
今後、cTraderのシェア率向上に伴い、情報が増えたり、自動売買関連のトピックが活発になる可能性はあるものの、現時点ではcTraderの自動売買に大きな期待を持つことはできません。
そのため、「絶対に利用したい業者がある人」や「自動売買を重視している人」には、あまりおすすめできません。cTraderは、現状「透明性やスペックが高い裁量取引が得意なツール」という認識が最も適切でしょう。
cTraderに対応している海外FX業者の選び方
次に、cTraderに対応している海外FX業者の選び方について解説していきます。cTraderをフル活用できる海外FX業者を見分けられるようになりましょう。
（1）信頼性をチェック
海外FX業者を選定する際に、重要なのは「信頼性をチェックしておく」という点です。海外FXは、信頼性の低い金融ライセンスしか持っていない業者が多く、中にはそもそも金融ライセンス自体を持っていないという業者も確認できます。このような背景から、海外FX業者による詐欺的な被害に遭ったという被害の声も少なくありません。
そのため、海外FX業者を利用する際は「利用者から業者の信頼性を積極的にチェック」していく必要があります。海外FX業者の中には、信頼性の向上に積極的な業者も多く、信頼性アップのために紛争解決機関に加盟していたり、グループ会社が信頼性の高いライセンスを持っているということも少なくありません。
また、スポンサー活動を積極的に行なっている海外FX業者も多く、有名スポーツチームのスポンサーとして、各スポーツクラブのスポンサー欄に乗っている海外FX業者は複数存在しています。このような信頼性をリサーチする際は、以下のような点をチェックするのがおすすめです。
- グループ会社を含めた金融ライセンス
- 資金管理方法の開示
- 紛争解決機関などへの加盟
- スポンサー活動など
この他にも、信頼性をチェックできるポイントはありますが、問題は「多角的に評価を行う」という点です。1つだけの情報では信用が低い(偽造なども可能なため)ことから、各ライセンス登録情報を1次情報からリサーチしたり、スポンサー活動の旨が公表されているなら、スポンサーとなっているスポーツクラブのWEBなどから、その事実確認を行いましょう。
海外FX業者が開示している情報のみならず、第三者が公開している情報と照らし合わせて相違が無い場合には信頼性が高いと言え、信頼性を図る際の参考材料になります。
（2）取引環境をチェック
次に、取引環境をチェックしておきましょう。cTraderは特性上、業者による影響を受けにくいものの、チェックしておくに越したことはありません。cTraderのスペックをフル活用するためにも、IT系インフラの設備が整っているか？などは最低限チェックしておいた方が良いでしょう。(基本的にcTraderを導入している業者は、取引環境が良好なことが多いです)
（3）取引条件をチェック
ECN方式の特性上、cTraderを導入している業者や口座に関しては、取引条件についても柔軟なことが多いです。しかし、最大レバレッジなどについては業者によって差が出てくるポイントのため「cTraderを活かせる取引条件か？」という点を、しっかりとチェックしておいたほうが良いでしょう。
また、cTraderに関しては中上級者向けの海外FX業者が導入していることが多く、そもそも利用までのハードルが高いことが少なくありません。例えば、最小取引数量が高かったり、初回最低入金額が高額だったりします。他の取引ツールではあまり注視しないような点についても、cTraderについてはチェックしておいた方が良いでしょう。
（4）日本語対応の有無
前述の通り、cTraderは非常にシェア率が低いです。そのため、cTraderの対応有無を重視して海外FX業者を選定すると、かなり利用できる海外FX業者は限られます。MT4やMT5であれば、手厚い日本語サポートを受けられる業者が複数存在しますが、cTraderに関してはかなり限定的であると考えた方が良いです。
そのため、日本語によるサポートを重視している方は、日本語サポートの有無やそのクオリティに関して、予めリサーチを行なっておいた方が良いでしょう。そもそも、日本語向けのページが公開されていない、日本語の情報源が少ないといったケースでは、満足な日本語サポートを受けにくい可能性があります。
cTrader対応のおすすめ海外FX業者
これから、数少ないcTrader対応のおすすめ海外FX業者を「AXIORY」「Tradeview」「FxPro」という3業者からご紹介していきます。
（1）AXIORY
AXIORYは、日本での知名度が高く、手厚い日本語サポートに対応していて、なおかつcTraderにも対応している数少ない海外FX業者です。約定力やスプレッドに関する評判は良く、最大レバレッジは400倍と海外FX業者では標準的ですが、レバレッジが口座残高による制限を受けません。
さまざまなポイントから「cTraderを利用したい日本人」との相性が良いので、cTraderを利用したいという方は、まずAXIORYを検討してみるのがおすすめです。しかし、cTrader対応の海外FX業者に多く見られるのですが、キャンペーンなどは実施していません。このことから、ボーナスは期待できないと考えた方が良いです。AXIORYでは、cTrader・MT5・MT4が利用できます。
（2）Tradeview
TradeviewはECN方式の口座が多く、ECN方式を積極的に導入している海外FX業者です。また、取引数量やポジション数に制限がありません。そのため、大口取引にかなり寛容的な海外FX業者であると言えます。その一方で、初心者にはあまりおすすめできません。
というのも、TradeviewはcTraderを利用できる口座の場合「初回で最低10万円の入金」が必要であり、日本語の情報も少ないことから、初心者が利用するにはかなり敷居が高いと考えられます。また、AXIORYと同様にキャンペーンやボーナスを実施していません。
大口取引への強さを考慮すると、中上級者にはおすすめできる海外FX業者です。資金力に余裕があり「もっとでかく自由に取引したい」という方は、Tradeviewの利用を検討しても良いでしょう。Tradeviewでは、cTrader・MT5・MT4が利用可能です。
（3）FxPro
FxProは、主にEU圏で知名度の高い海外FX業者で、設立から15年程度経っていることから、運営歴が長い海外FX業者です。これほど長く運営されているものの、出勤拒否といった目立った被害報告は見られないことや、会社の規模が大きいことから(資本金1億ドル以上)信頼性はかなり高いと言えるでしょう。取引条件などは他のcTraderを利用できる海外FX業者と大差なく、キャンペーン・ボーナスなども実施していません。
cTraderを利用できる業者の中で、取引環境や条件の点で特徴となる点はないものの、運営歴の長さや会社の規模など、信頼性を重視している方にとっては、安心して取引可能な海外FX業者であると言えます。FxProでは、cTrader・MT5・MT4が利用可能です。
まとめ
この記事では、cTraderと海外FX業者というテーマで、さまざまな点を解説しました。cTraderは裁量取引でスキャルピング行なっているなど、一定層に非常に高いニーズを持つ取引ツールです。
取引スタイルによっては、MT4やMT5よりも快適な取引環境を享受できるので、該当する方は積極的に活用していきましょう。
